ワイルドターキー蒸留所は、ケンタッキー州ローレンスバーグの丘の上にあり、この丘をワイルドターキー・ヒルといいます。
1869年にトーマス・リピーが始めたビジネスで、その後息子のリピー兄弟がムーア蒸留所を買収し第二次世界大戦後まで順調に発展しました。
一方、食料品卸売業者オースティン・ニコルズ社の創業者トーマス・マッカーシーは、毎年恒例の野性の七面鳥狩りで貯蔵庫にあったバーボンウィスキーを友人たちに振る舞いましたが、これが大変評判となり、やがて仲間内で「ワイルドターキー」と呼ぶようになりました。これをきっかけに、1970年オースティン・ニコルズ社はリピー兄弟の蒸留所を買収して、本格的にバーボン造りに乗り出したのです。
蒸留所がワイルドターキー・ヒルにあったのは偶然の一致でした。
原料には、ケンタッキー産コーン77%、ドイツ産ライ麦12%、モンタナ産の大麦麦芽11%を使用。水は、ケンタッキー川に面した崖の上の蒸留所から地下85mまで掘り下げて、鉄分やミネラルを含まないライムストーン・ウォーターをくみ上げて、これらをオリジナルの酵母で発酵させています。
ダブラーで2回目の蒸留を行った後のアルコール度数を60~65%と低めに設定し、原材料が持つ特長的なフレーバーをより多く残す工夫をしています。
熟成樽には内側を強く焦がした(アリゲーター・チャー)アメリカンホワイトオークを使用し、5年以上熟成させます。
ボトリングにふさわしい原酒を選定するのは、マスターディスティラーであるジミー・ラッセルと息子のエディー・ラッセルです。