熟成したウィスキーにより複雑な風味をつける目的で、原酒を元の樽から以前別のスピリッツやワインを入れていた樽に詰め替えてさらに短期間熟成させることがあります。これを「カスクフィニッシュ」や「セカンダリーカスク」といい、今日では非常にポピュラーになりました。
カスクフィニッシュに使われる樽で最も多いのがシェリー樽ですが、他にポートワインやマデラワイン、コニャック、カルヴァドス、ラム、テキーラなどの熟成樽も使われます。シーバスリーガルには、フィニッシュに日本製のミズナラ樽を使ったミズナラ・カスクフィニッシュがあります。
モルトウィスキーの特徴の40~70%が樽での熟成期間中に造られると言われており、どのカスクでどれだけの期間2次熟成させるかによって全く異なるフレーバーを得られる可能性があり、スコッチウィスキー業界の近年のもっとも活発な動きのひとつになっています。
ちなみに、単一の樽で熟成されたウィスキー原酒をそのままボトリングしたウィスキーを「シングルカスク」と呼び、ひとつの樽から数百本しか取れないため希少性が高く、プレミアムボトルとなります。