スコッチ業界の動向(1) NAS

NASとは「Non Age Statement」の略で、ラベルに熟成年数を表記しないウィスキーのことです。日本ではノンエイジ、ノン・ヴィンテージ、ナスなどと呼ばれています。

近年NASのシングルモルトが次々と発売されるようになりましたが、一番の理由は原酒不足です。1980~90年代のウィスキー不況のとき、蒸留所があまり原酒を生産しなかったため、その後消費が回復したとき、熟成が進んだ原酒がないという事態になってしまったのです。

スコッチは最低でも3年樽熟成させる必要があり、ボトルに年数を表記する場合は表記年数より若い原酒を混ぜてはいけないことになっています。たとえば90%が20年モノの原酒であっても、残り10%に5年モノの原酒を混ぜれば「5年」と表記しなければいけません。

ウィスキーは熟成年数が長ければ長いほど美味しくなるというわけではありません。このことから、消費者が長い熟成年数をありがたがる傾向は、生産者にとって足かせになっている面があります。

実際、昔から日本でも人気のあるジョニーウォーカーやシーバスリーガル、オールド・パーなどはNASとして知られ多数の支持を得てきました。ブレンダーの手腕ひとつで、若くて上質な原酒から新しい味わいが生まれる可能性は大いにあるのです。

当店にも以下のようなNASのシングルモルトがあります。

 - ラフロイグ クォーターカスク
 - アードベッグ アンオー
 - タリスカー ストーム
 - ボウモア レジェンド
 - トマーティン レガシー

「ウィスキーはフレイバーで勝負」と考えれば、年数にこだわらず、自由な発想で新しい味わいを追及することは理にかなっているし、同じ銘柄のラインナップで価格が低めに設定されているのも愛飲家にとってはありがたいことです。

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