ピートの話

ピート(泥炭)はスコッチウィスキーにとって、スモーキーな香りをもたらす大変重要なものです。以下、ピートに関するEWAのゴードン・スチール博士の解説を紹介します。

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ピートと呼ばれる泥炭は、何世紀にもわたって湿原に蓄積され圧縮された植物の残骸です。ピートの厚い層を形成するには何千年もかかります。そこではコケや草が湿原で水浸しになり、時間の経過とともに圧縮されます。 スコッチウイスキーのユニークな特徴は、製造工程でピートを香料として使用していることです。

ピート

スコッチウイスキーの製造業者に認可されているピートの採取場は5ヵ所ほどあります。 最も有名なのはアイラ島にあって、非常にピート香の強いアイラ・モルトを作るために使われています。

どこのピートを使用するかは蒸留業者ではなく、麦芽製造業者が選択する傾向にあります。

ピートは、窯に入る酸素の量をコントロールすることによって燃焼され、炎を出すのではなく、たくさんの煙を出します。煙はファンによって大麦麦芽に当てられ、穀物内に堆積します。ピートは約500から600の異なる化合物で構成されており、ピーティングの過程でこれらの化合物はウィスキーにとって重要なフレーバーに分解されていきます。

ピーティングプロセスでは煙が湿った麦芽に付着し、残りの煙は煙突から消えていきます。このピートモルトがウイスキーの製造プロセス(マッシング、蒸留など)に送られます。製造プロセスを経るにつれて、どんどんピート化合物は失われていき、重要な風味だけが残るのです。そして、最初に入れる煙が多ければ多いほど、最後に残るピートフレーバーは明らかに多くなります。

ピーティング

最近さまざまな地域のピートを調べたいくつかの研究によると、ピートの採取場所によって風味に違いがあることがわかっています。 ただし採取場所の違いがウィスキーの風味に与える影響は非常に小さいものです。

蒸留所が地理的に近い場所のピートを使用するとは限りません。オークニーのピートはかつてインバネスに輸入され、そこからスペイサイドモルトで使用されていました。またアイラのピートは、アイラ島でのモルティングを介して他の島の蒸留所でも使用されています。

ピートが採取される湿原は、明らかに保護されなければならない環境で、ウィスキー生産者がどれだけのピートを摂取するかについてはいろんなところで議論されてきました。ピートは1年に約1ミリメートルしか形成されないため、蓄積するのに数千年もかかるのです。

しかし現在のところ、スコッチウイスキー業界がビジネスで採取するピートの量は、スコットランドに蓄積されているピートの量から見れば取るに足らないものです。

 

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