モルティングとは、収穫し検査を終えた大麦を「モルト」にする工程で、スティーピング(Steeping)、ジャーミネーション(germination)、キルニング(kilning)の3つの作業を行います。
スティーピング/Steeping
大麦を水に浸して水分を吸わせ、発芽を促す工程です。目的の水分量に早く到達するよう通常複数回スティーピングし、最終的に水分量は約45%に達します。
ジャーミネーション/Germination
伝統的に発芽の工程はフロア・モルティングによって行われてきましたが、現在は主にモルティング・プラントで行われています。大麦を冷たく湿った状態に保ち、発芽の環境を整えます。この過程で大麦の表皮は部分的に破れ、タンパク質の分解も進みます。アミノ酸、酵素、デンプンのパッケージが生成されたところで次の工程に進みます。
キルニング/Kilning
キルニングは、熱風を吹き込むことによって大麦の発芽を確実に停止させるプロセスです。ピート(泥炭)は風味を作り出すために、この工程で使用されます。キルニングの初期段階では麦芽の表面が湿っているため、ピートの煙に含まれるフェノールが付着しやすく、この段階でピートが使用されます。これがウィスキーにスモーキーな風味を与えるのです。
この過程で発芽した大麦は約5%の水分量まで乾燥され、蒸留所で使用されるまで安全に保管できる状態になります。これを「モルト」と呼びます。