ハイランド地方東部を流れるスペイ川流域で造られるモルトウィスキーをスペイサイドモルト(Speyside Malt)といい、現在ではハイランドから分離・独立させるのが一般的です。
ただしハイランドとの境界線は必ずしも確定しているわけではなく、スペイ川と、その東西を流れるフィンドーン川、ロッシー川、アイラ川の4つの河川流域の蒸留所をスペイサイドモルトとして分類しています。
↑ ナツメ社「ウィスキー完全バイブル」より
スペイサイドはかつて密造酒造りの中心地であり、スコットランドのモルトウィスキー蒸留所の半数近くが今も集中しています。
スペイサイドモルトはスコッチのモルトウィスキーの中で最も華やかでスウィート、バランスに優れており、グレンフィディック、マッカラン、グレンリベットなどの名酒が揃っています。風味はアイラモルトと対極にありますが、どちらもスコッチの聖地として、ブレンデッドに欠かせない原酒にも多く採用されています。