ところで、最初にウイスキーを作ったのはアイルランド人です。その後それを伝え聞いたスコットランド人は、アイルランド人以上の情熱を持ってウイスキーの蒸留に取り組んだのでした。
1644年、初めてウイスキーに課税されるようになって以降、ウイスキーの生産は酒税法に翻弄されます。税率が上がるにつれ、やがて違法な蒸留(密造酒造り)が始まりました。
当時のハイランドには小規模蒸留所が多く、ローランドの蒸留所よりも低い税率が適用されていたため、ハイランドでウィスキーを生産して外部へ輸出する、ということが起こり始めました。
そこで政府は1784年、都市部に隣接し比較的規模の大きなローランドの蒸留所の権益を保護する目的で、ハイランドとローランドの間に地理的な境界線を引き、ハイランドからのウィスキーの輸出を禁止しました。
密造酒を造るハイランドの家族(EWA "Certificate in Scotch Whisky"より)