モルトスター(Maltstar/麦芽製造業者)とは、農家から大麦を入手し、それを発芽させて麦芽に変え、アルコールを生産するための原料として蒸留所に提供する人たちです。
麦芽をつくるこのプロセスは、スティーピング(浸漬)、ジャーミネーション(発芽)、およびキルニングからなります。穀物をキルニングする際の熱が、蒸留業者が必要とする色と風味を生み出します。
モルティングの最初の2つの段階は、農家が穀物の種を地面にまいたときに起こること、すなわち穀物が水を吸収して発芽を始めることを、異なる環境で計画的に行っていると言えます。
発芽をいつまでも続けると、結果として蒸留業者が発酵のために必要とするデンプンと糖をすべて消費してしまうことになります。したがってモルトスターの重要な仕事は、この発芽を注意深く監視し、プロセスをいつ停止すべきかを正確に判断することです。モルトスターは穀物の温度と含水量を重要なファクターとして、この判断を行います。
これまで多くの穀物が麦芽の生産に使用されてきましたが、大麦は伝統的に、また技術的に最も重要な穀物と考えられています。大麦が麦芽になると、酵母の成長に必要な炭水化物、タンパク質、ビタミンを提供します。
モルトスターの他の仕事として、生産プロセスの計画があります。つまり現在の麦芽の在庫と予測される出荷量を確認して、どれだけの原材料を買い付けるか計算します。モルティングには数週間かかるため、この作業は容易ではありません。あわせてラボで分析された材料の品質も確認します。
モルトスターには多くのスキルが必要です。すなわち、より良い原材料を調達するための農業学から、モルティングプロセスを理解するための生物学、プロセスで使用する機器を管理するためのエンジニアリングの知識から、データ管理のためのコンピュータスキルまで必要です。チームをまとめるための人事管理スキルが重要なのは言うまでもありません。
最新のハイテクシステムと機器の導入によって、現在の麦芽製造はサプライチェーン全体を通じて、高い品質を保証できる状態となっています。