エジンバラやグラスゴーなどの大都市を擁するローランドは、イングランドと接していて大資本が入りやすかったこともあり、初期投資がかかる連続式蒸留機を積極的に導入してきました。
かつては数十ものモルト蒸留所がありましたが、ハイランドの、特に山奥の谷で造られる密造酒に風味の点で勝てなかったため、ローランドの業者は連続式蒸留機を導入し、原料もトウモロコシに切り替えていきました。これがグレーンウィスキーの登場です。
大量生産できて安価な反面、個性のないグレーンウィスキーを何とかしようと風味豊かなモルトウィスキーを混ぜるようになり、やがて今日のブレンデッドウィスキーが誕生しました。
かつてローランドは、ライトボディでやや辛口の麦芽風味の強いモルトを造っていました。ローズバンクやオーヘントッシャンは、アイリッシュウィスキーの製法を採り入れ、スコットランドでは珍しい3回蒸留を行っていました。
現在まで残っているのは、グレンキンチー、ブラッドノック、オーヘントッシャンなどわずかです。