モルトとグレインの両方のさまざまなスコッチウイスキー原酒を選んで、それらを組み合わせて目的のフレーバーを生み出すプロセスをブレンディングといいます。
ブレンデッドスコッチは、1つまたは複数のモルトウイスキーと、1つまたは複数のグレインウイスキーのブレンドとして定義されます。
ブレンディングは19世紀半ばから後半に始まりました。当時、モルトウィスキーは風味が強く個性的でスコットランド以外ではあまり好まれず、一方グレーンウィスキーは飲みやすいが風味に乏しく人気がなかったため、両者をブレンドして互いの欠点を補い、誰もが飲めるウィスキーを作ろうとしたのです。今日私たちがよく知っているブランドのいくつかはこの頃に生まれました。
ブレンディングは伝統的に、マスターブレンダーの鼻と舌のみを頼りに、希望するキャラクターとフレーバーを作り上げるという点ではまさに芸術と言えます。
マスターブレンダーはノージングとテイスティングを通じて、そのブレンドの特定のスタイルや特徴を決定する主要なモルト、いわゆるキーモルトを決めます。ブレンダーは安定的にキーモルトの供給を受けるため蒸留所と長期契約を結び、特定のモルトが入手困難になった場合を想定して、ほぼ確実に入手できる代替シグネチャーモルトも確保します。
キーモルトと同様に重要なのが、パッキング・モルト(ブレンドの本質的な特徴を支配もマスクもしないが、それ自体は優れていたモルト)で、スペイサイドやハイランドから多く調達されてきました。一方キャラクターとスタイルが強烈なアイラ島のモルトは、その存在が目立つため当初慎重に扱われましたが、今ではブレンデッド・スコッチに欠かせないモルト原酒となっています。
ブレンデッド・ウィスキーには多くの異なるウイスキー原酒が含まれています。たとえば、J&Bレアは42種類のモルトウイスキーとグレインウイスキーを使用していることを誇っています。
モルトとグレーンの比率はさまざまで、高品質のブレンデッドは40~50%のモルトを含有している可能性があり、使用される原酒の熟成年数もさまざまです。
原酒をブレンディングした後、再び樽に詰めて数か月~1、2年ほど寝かせることがありますが、これを「マリッジ」といい、バランスのよい仕上がりが期待できます。