ヴァッティング(vatting)とは、モルトウィスキーの原酒に他の蒸留所のモルトウィスキー原酒を合わせる行為を指す用語で、グレーンウィスキー同士を合わせる場合もヴァッティングといいます。シングルモルトは、一つの蒸留所の複数の樽からモルト原酒を取り出してヴァッティングしたものです。
ヴァット(vat)とは大きな桶のことで、原酒同士を桶に注いで混ぜ合わせることからこのように呼ばれるようになりました。
蒸留所のオフィシャルボトルは長年にわたり品質を一定に保つ必要があるため、異なる樽の原酒をヴァッティングすることでウィスキーの風味を均一化しています。
一方、ブレンディングとは、モルト原酒とグレーン原酒を合わせることを指します。
なお、スコッチウィスキー協会(SWA)は2006年、ヴァッテド・モルトウィスキーはブレンドモルトウィスキー、ヴァッテド・グレインウィスキーはブレンドグレインウィスキーと表記するよう通達したため、ヴァッティングという用語は現在では(少なくともスコットランドでは)使われなくなりました。
ヴァッティングやブレンディングの後、再び樽に詰めて数週間から2年ほど寝かせる場合があり、これを後熟(こうじゅく)とかマリッジといいます。